多少のネタバレを含む為、読んでいない方は閲覧注意
心象楽園/School Lore 舞台概要2
七星
・七星財閥
おしゃぶりから衛星軍事兵器まで、日本国のあらゆるものを包括する日本国の心臓部であり末端の毛細血管。日本国民は七星に関わらず日本国で生きて行くことは不可能である。
他の大財閥に比べその初出は遅く、戦後(大東亜)とされる。
初代当主七星一郎は戦後の鉄くず収集から身を立て(あまり良い手段は用いていなかった模様)、のちに町工場で働いていた所を、手先の器用さと頭の回転の速さを買われて出世、鉄くず収集時代に築いた後ろ暗い人脈と在日米軍へのコネクションで自社製品を売り込み、一財を築いた後に独立する。
先見性があり(政治家を脅して情報を横流しさせていたと噂される)、米国の市場開放に合わせてコピー品の生産に勤しみ、口八丁手八丁の大立ち回りで大々的に売り込む事に成功、周囲からは稀代の詐欺師として大批難を浴びながら、業績は伸ばす。
設備投資や先進技術、人材確保には一切の出し惜しみをしない超剛腕の七星一郎は、グレーゾーンを突き抜けながら、コピー品の製造から独自技術、独自製品の開発へと順調にシフト、一大電機メーカーとして名が知れ渡る事になる。
七星一郎は女好きでも知られ、生涯の愛人は三十人にも及んだ。自身の生き様とその財産の全てを引き継がせ、七星一郎があり続ける事を願った彼は襲名性を採用。自社の特に優秀な人物に、愛人諸共全て引き継がせるという、常識外れの世襲をやってのける。
他の財閥と同様、世の変化の流れを受けながら多角的な経営が進み、アジア戦火前には既に他の大財閥にも匹敵する程の規模となっていた。
七星財閥がアジア戦火後大躍進を遂げたのは、全て利根河真の手腕である。
神がかり的とも言える先見性、経営手腕、そして自身の知識量とコネクションを武器に、国家強靭化、国土防衛を全面に押し出し、特に医学薬学、電子工学、遺伝子工学、そのほかでは軍事面とそれに付随する医療介護部門で飛躍的に技術、業績を伸ばし、日本国を医療、電子、エネルギー、軍事大国へと仕立て上げた。
・七星一郎(利根河真)
利根河家長男。
20代で当時の七星の娘を娶る。
二流大学卒で、七星の遺伝子工学研究所員となった後、ゲノム薬学研究で大きな成果を上げて早期の出世を果す。
一人娘の利根河撫子を溺愛していたが、撫子は占拠事件の折りに自殺。
娘の死後、それまで以上に研究へ打ち込むようになったが、心労を患った妻が自殺、以降、周囲の人間からは『笑顔以外の表情がない』と言われ、人格破綻を疑われた。
それまで以上の出世を欲し、自分に障害となり得る同僚の社会的抹殺、ライバル企業の研究所からの強引な引き抜きや、ライバル企業の研究をその親族に取り入る形で盗み出させる(妻一筋であった真だが、妻の死後は相当数の愛人がいたとされる)など、公になれば大問題になるような事を平然とやってのけ、しかも逃げ切る、という芸当を当然の如く行い、七星の人脈に媚びながら着々とその道を出世へと向ける。
中でも大きな成果として、経口摂取の放射性物質除去薬の理論完成、低コスト生産があげられる。
元は三ノ宮の技術であったが完成には遠かったとされる。三ノ宮の研究員を引き抜くと同時にこの技術を模倣、完成にまでこぎ着けた。当時の責任者は利根河真であり、引き抜きから研究まで、全て彼が口を出したと言われている。
公にはされていないが、三ノ宮との会合時、三ノ宮会長は日本刀を持ち出して真と大立ち回りをしたとされている。
経口摂取の放射性物質除去薬は、テロによる原発の暴走によって日本国土が汚染されて以降の課題となっていただけに、国家政策として生産が推し進められ、日本国民の生命を守った奇跡の薬とまで評される。
利根河真は四十代にして七星家の本家にまで上り詰め、(相当のいざこざはあった様子だが)その名を七星一郎と改めた。
ただこの放射性物質除去薬、副作用があるのではないかと噂されている。
特に妊娠初期の女性や子供は、未だ地方によっては摂取を義務づけられている。七星は完全否定しているが、接種後、女児出産率が以上な傾きを示している。
本来ならば生産停止、回収されるものだが、日本国政府も黙認しており、なおかつ、これにまさる万能薬がいまだ存在しない事が問題である。
現在七星一郎は七十七歳。ゲノムアンチエイジングの体現者である事は、公開はしていないものの、誰の目でみても明らかで、その容姿はどうみても三十代後半である。
・七星遺伝子学研究所
本部を観神山に置く。七星の遺伝子工学研究の総本山であり、そのお膝元の欅町には七星の関連企業、七星の企業体を支援する商店街と、完全に七星が牛耳っている。
研究内容は多岐に及ぶが、主に哺乳類の遺伝子研究、ゲノム薬学、ゲノム医療研究が進められている。
この研究所から発信された医学薬学が現代世界の医療を支えているといっても過言ではない。当時は七星一郎になる前の利根河真が研究員を務めていた。
ただきな臭い噂も囁かれ、中では人体実験が行われている、キメラのような生物が跋扈している、などと周辺住民から噂される事もあるが、住民たちもまた七星の恩恵に与って生きている為、公に情報や施設を開示しろ、などと迫る事はない。
・私兵団
対テロリズムを名目に、一定以上の大企業は自前の私兵団を擁している場合がある。経済規模に大体が比例する為、中でも七星の擁する警備隊という名目の私兵団は小国の陸軍に匹敵すると言われる。
大半が国防軍上がりの人間で傭兵はおらず、三代以上に渡って日本国籍を持つ日本人のみで構成されている。
また装備は七星軍事研究部門の最新鋭、もしくは実験段階の兵器である事が多々ある。
ある時期から極端に数を減らし始めた日本国内の反日勢力は、七星の私兵団によるものであると噂されているが、七星及び日本政府はこれについて一切情報を開示していない。
・反七星系組織
七星の傍若無人な振る舞いに異を唱える集団をまとめる場合に使われる言葉。
大陸系テロリスト他、反日団体、反財閥反大企業組織などが八割を占める。
単純な武装テロ集団ならばまず七星の敵ではないが、中にはESPを行使する青少年を組織化した部隊を有する団体もある為、一筋縄ではいっていない。(勿論表沙汰にはなっていない)
日本国
・2067年日本国
2030年代に起こったクーデターによって立ちあげられた日本国臨時政府からの延長にあり、厳密に旧来の日本国と同じと言う訳ではない。(詳細は別記)
クーデター成功、大陸連合軍(同時多発テロリズム)排除の後に旧来の憲法、法律下での総選挙を実施、クーデターを起こした超党派議員等が新しく立ちあげた新党自由民衆人の会の党(自人会)が第一党となる。
一大軍事国家であり、軍事費は世界二位。一位はアメリカ(再統一アメリカ)三位はドイツと続く。
アジア戦火危機の影響で新エネルギー開発が急がれ、同時多発的に建造が進み、核融合炉数は世界三位。
立憲君主制、民主主義。
アジア戦火以降、大陸に介入という名目で紛争地帯に派兵している。
米国との二国間新防衛基準安保理に則り、米国の海兵隊と日本の部隊の混成部隊も存在する。
・政治など
ほぼ旧来通りの体制だが、男女比は半分。単独与党の自人会党、野党の民栄党、その他少数規模だが、相当の数の諸党が存在する。アジア戦火後は共産主義が一斉排除されている為、思想的なものこそ存在するが、大々的に共産を掲げる政党は存在しない。
外患を招いた挙句領地占領を許すという過去の失態から、水際でのテロリスト排除に関する法律が、多少過剰なほど存在しており、観光客以外の外国人は必ず一週間に一度の滞在チェックが義務付けられている。(勿論排他的だという国際社会からの批判は多い)
内務省なども存在し、大東亜戦争敗戦以前とは役割が異なり、基本的に警視庁公安部、公安調査庁、内閣調査室、国防省の調査組織とはまた別件の内政諸問題を取り扱っている。
選挙権は18から。被選挙権は20からある。
段階的な道州制取り入れも検討されたが、現在では形骸化しており、その態にない。
ただ首都防衛、リスク分散の観点から、行政に関する施設などは地方に分散しており、京都、長野に第二、第三国会議事堂が存在し、国会は分散して集合する。独立行政ではない。
また、官公庁も宮城や大阪、福岡などに分散している。
それに伴って大企業本社なども東京から地方に移る傾向があった。現在はその動きも落ち着いている。
・社会など
精密機器、自動車産業等の発展は旧来と変わらないが、方向性がいささか異なる。
特に医療福祉に関しては眼を見張るものがあり、医療大国としての側面が強い。
薬品、医療機器の輸出。医師や看護師の派遣などにも力を入れている。
革新的な幹細胞医療学の完成によって、現在治らない病気といえば、年々進化するインフルエンザか、奇病、末期ガン程度であり、費用さえ目を瞑れば欠損部位の再生も不可能ではない。病原体原因の性病は根絶している。
福祉に関しても、脳手術やサイバネティクス技術の恩恵を受け、年老いてなお現役という人も少なくない。問題視される社会の高齢化だが、外地での指導を目的とした派遣などにも充てられており『姥捨て山』と揶揄されながらも継続している。
多少費用もかかるが、同性同士の結婚、出産が可能であり、今後はコスト軽減が課題である。
女性同士ならば子宮がある分難しくないのだが、男性同士の場合腹膜に外科手術を施した上での胎児細胞移植か、代理母を立てる為、ハードルが高い。殆どの場合代理母をたてる。
性別間での格差が減る一方、訴訟も増加しており、弁護士不足が叫ばれている。
・教育など
旧来と変わらず義務教育九年、高等教育三年である。女性の社会的地位向上に伴い、女性のエリートを教育しようという動きから、専門教育を目的とする小中高大の一貫女子校が目に見えて増えている。
私立観神山女学院はその中でもだいぶ特別である為、この流れには含まれないが、新しい時代の女性を教育するという意味で女性率先思想は反映されている。
日本の軍事大国化に伴い、国防省認可の軍事学校、予備校なども存在する。国粋主義が叫ばれる中、当然あぶれた人間も多くなるが、大企業の警備隊や外地での傭兵等、引く手あまたであるのは幸いである。
また、減ったとはいえテロリズムの憂い目にあう可能性も低くはないので、各学校ではサバイバル術や格闘技の修練は必須科目として存在する。
・軍事など
『世界の秩序を守る星条旗と日の丸』
日米新核の傘構想により、軍事衛星兵器が三機存在する。(名目上は発電)
これによって大陸間弾道ミサイルや爆撃機での日米に対する脅しがほぼ無意味となり果て、軍事は空から海へと移動した。また量子コンピュータの性能上昇により、日夜量子コンピュータ同士でのハッキング戦争が行われている。
当然世界からは『悪の枢軸』として白い目で見られているが、相手国は手を出せない現実に頭を悩ませている。
日本、米国、及びヨーロッパ連合は現在各国で大陸に派兵しており、終息も間近とされる。戦争が利権になる前に終わらせたい、というのが日本(七星)の主張だが、肥えた軍需企業、傭兵企業、投資家等からは反発が強く、なおかつ七星も多大に恩恵を受けている為、建前とされている。
・その他文化ほか
仮想映像反映技術(ホログラム)の革新により、これを見ない場所はない。日常生活からエンターティメントまであらゆる場所で見受けられるが、恐らくは過渡期である。
パソコンや携帯といったガジェットに関してもこれに当てはまるが、『PC古典派』や『物質至上主義派』等の影響もあり、本来なら掌どころか耳の穴にも入るような携帯やパソコンが存在する中、旧来の大きめなものを使う、買うという傾向があり、需要も供給も並列して存在する。
2000年代以降流行ったノート型PCは再評価を受け、昨今の流行りものとして取り上げられたり、タブレットなども、薄く、四つ折りにできはするが、サイズ的には10インチ程度の物理ディスプレイが付いている。
ただやはり、一般的にはアクセサリ型端末が最も人気がある。眼鏡、時計、イヤリング、腕輪等、日本の悪い癖である何でも小さくする病気は健在である。
また、認可の無いものだが、無線機器を脳内に直接埋め込みネットアクセスするような輩も存在する。
物質至上主義派の影響もあり、コレクション性の高い書籍、必然性の高い書籍は紙である。
専門書の類は殆ど電子書籍であるが、一部雑誌やコミック、絵本などは未だ紙で印刷される。
一年に二度開かれる埋立地のアレだが、現在も継続している。
観神山女学院は例外も例外であり、日常で紙を用いる場面はほとんど存在しない。
ファッションに関しては、何事も無駄を省くような動きがある。また無地が好まれ、無地部分にホログラムを用いてデザインを変化させるという、電力消費型ファッションが見受けられる。
女性ファッションの男性化、男性ファッションの女性化もあげられ、似あっているかどうかは別として、それ自体に突っ込みをいれるのは多少憚られる情勢である。
強い女性がステータスとなって来る中、スポーツや格闘技に目が向けられている。大きな女性格闘技団体やスポーツ推進、支援組織が存在し、女性格闘技者の数はここ数年増加の一途である。
中でも有名なものは急所攻撃以外のルールがほぼ存在しない㈱格闘技日本が主催する総合格闘技『ストライクマッチ』であり、これは体重制限が無く、男女で若年部と青年部のみに分けられる。開催国家は二十を数え、現在世界最強と言えば、この大会での勝利を言う。
女子若年部日本チャンプ、欅澤杜花の出現は日本の女性たちに更なる格闘技への興味を誘った。
ちなみに欅澤杜花選手の戦績は総計15戦15勝15KOである。(決勝以外一分以内)
非公式、立ち合い、練習試合でも負け無しとされ、彼女に勝てる人類がいるのかとすら噂されている。
・対外的な欅澤杜花の扱い
閃光のように現れた彼女は、日本女性格闘技界の星であり、今後十年を背負う逸材とされる。
世界大会への出場を期待されたが、彼女個人の事情で辞退となる。
突然現れた彼女が名門観神山女学院に籍を置いている事が発覚後、その美貌と肉体、そして強さから、一部カルト的なファンまで出現するありさまであった。
流通数の少ない『観神山女学院スペシャルマッチ』の映像データは、最高解像度版メディアデータが一千万、中解像度版でも数百万の値が付いている。
卒業までは表舞台には出ないとされている為、卒業後の彼女の動向が注視されている。
キャラクターのスリーサイズなど諸々はエピローグ後
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